品質機能展開のJIS制定とその意義

摘要

日本の総合的品質管理から生まれ育った品質機能展開の日本工業規格「JIS Q 9025」が本年2月に制定された。 同時に，方針によるマネジメントの指針（JIS Q 9023）と継続的改善の手順及び技法の指針（JISQ 9024）が制定されたが，それらのJIS化は大変意義深いことである。 本特別企画として特に品質機能展開のJIS化の意義について述べてみたい。 また，その制定の経緯は，発行されたそれぞれの規格票の解説として詳しく述べられているが，ここで簡単ではあるが改めて紹介しておく。 これらの規格が国際規格となることも期待される。 品質機能展開（QFD：Quality Function Deployment）は，我が国で開発され，現在では国内外で新製品開発をはじめ，環境適合設計，業務プロセス改善などに広く活用されている。その歴史は30年を超えており，IT（情報技術）を駆使したグローバルなネットワークでの製品開発や商取引が進む中で，QFDが日本工業規格JIS Q 9025（以下で，JIS-QFDと略すことがある）として標準化されたことは意義深い。 まず，QFDの発展と最近の動向，これまでの標準化の動き，今後の活用などについて簡単に述べる。