スモール·パンチ·クリープ(SPC)試験機の試作とそのクリープ変形／破断特性

摘要

これに対して，微小容量のサンプルでクリープ破断特性をある程度評価できる手法としてスモール·パンチ·クリープ(SPC)試験が，10年ほど前から欧州を中心に注目されている。 最近ではわが国でも高経年化した発電プラントの効率的寿命延伸技術の一つとして関心が高い。 これらSPC試験法の多くは，延性－脆化遷移特性を簡便に評価するために開発された小型衝撃試験法を応用したものであるが，クリープ特性を評価する標準試験法としては国内外でまだ規格化されていない。 すなわち，試験片寸法や試験機の構造，試験法など，試験結果に及ぼすパラメータが数多く存在しているものの，実験的解析的検証が十分ではないのが現状である。 本研究では，SPC標準試験法の確立を目指して，各種パラメータを検討するため，従来とはやや機構が異なるSPC試験機を新たに設計·試作するとともに，本SPC試験でのクリープ変形とクリープ破断特性を求め，単軸試験結果との比較検討を行った。