工業用イーサネットの胎動：リアルタイムプロトコル「Ethernet Powerlink」の特徴と今後への期待

摘要

Ethernetが制御分野(FA)に利用されるようになってからLAN仕様として様々なプロトコル(HTTP, FTP, SNTP, SMTP, etc.)を搭載した製品が出回るようになってきた。 Ethernetを活用することによって開発工数を減らしたり，下位から上位までをネットワークとして一括してまとめ上げることができるという点においては，FA分野においても今後Ethernetに期待される役割は大きいと言えよう。 Ethernetに対するもう一つの期待はそのスピードである。 つい数年前までは10MHz (10BaseT)が主流であったが，現在では100MHz (100BaseT)，そして将来的には1GHzの通信速度が一般化されようとしている。 このような速いスピードを利用してリアルタイム通信制御を行えば一般FA制御バスをはるかに越えた高速通信が実現するばかりではなく，適用できる分野も大幅に広がる。今回は欧州でオープン化され，期待されている「ETHERNET Powerlink (EPL)」について紹介する（写真1）。