既設揚水発電所ポンプ水車のリニューアル

摘要

揚水発電所は，電力需要変動に対して深夜電力を利用して下部の貯水池から上部の貯水池に水をくみ上げ，この貯水を利用して昼間のピーク負荷対応として発電するシステムであり，この電力貯蔵機能と電力需要変動に対する即応性という特長を生かして，電力系統の効率運用のために多くの揚水発電所が稼働している。 既設揚水発電所のなかには，運転開始以来，長期間が経過しているものも多い。 これらに適用されているポンプ水車は，建設当時の最新技術により設計·製作されたものであるが，ポンプ水車の性能開発技術は着実な進歩を遂げてきており，現在の最新技術の適用により，既設揚水発電所を大幅に高性能化することが可能となっている。 特に揚水発電所は，経済性の観点から大容量化されており，既設設備の性能向上はエネルギーの有効活用への効果も大きい。