時系列画像診断のためのMRI高速撮像技術

摘要

東芝グループは，MRI（磁気共鳴イメージング）検査の対象部位や用途を広げるため，時系列データを対象として，掃像速度を現行機種の2倍に高められる高速掃像技術を開発している。2次元の画像を対象とした高速描像技術としては，現行機種で採用している，複数のコイルと画像処理技術を組み合わせて通常の2～3倍程度の速度で撮像するパラレルイメージング（PI）法が利用できる。しかし時系列データの掃像では，PI法を用いても時間分解能や空間分解能が不足することが多い。これに対し時系列のPI法が提案されているが，時系列マップスキャンと呼ばれる追加描像を必要とするため，摘像速度向上の妨げとなっている。そこで東芝グループでは，時系列データを対象としたPI法を時系列マップスキャンなしで実現する技術を開発している。この技術を用いれば，例えば心臓の拍動をより高い分解能で描像できる。