1ショットで2次元可視画像と距離画像を撮影可能な超小型複眼カメラモジュール

摘要

被写体までの距離が測れる距離画像カメラは，ゲーム機器などの入力インタフェースとして普及が進んでいる。距離画像カメラの多くは，光を対象物に当て，その反射光が戻る時間から距離を測定（測距）するアクティブ型である。しかしアクティブ型は，通常の可視カメラの他に測距専用の参照光源やセンサを組み込む必要があるため言肖費電力が大きく，小型化も困難である。また，外光の影響を受けやすく，使用環境が制限される。そこで東芝は，参照光源などを使わずに取得した画像から距離を求めるパッシブ型の距離画像カメラモジュールを開発した。これは，メインレンズとCMOS（相補型金属酸化膜半導体）イメージセンサの間にマイクロレンズを入れたモジュールで，画像処理により通常の2次元可視画像と距離画像を同時に取得できる。800万画素のCMOSイメージセンサを搭載したカメラモジュールは，小型（8.5×8.5×6.0mm）でありながら，1ショット1フレームの撮影で200万画素相当の2次元可視画像と26，000点の距離画像を出力できることから，携帯機器向けの距離画像カメラとして有望である。