電力システム

摘要

電力システム社は，東芝グループの経営方針「グローバルトップへの挑戦」の下，エネルギーイノベーションを推進してグローバルトップの先進的な発電ソリューションを追求し，常に電力の安定供給と環境との調和に貢献しています。また，東日本大震災後の福島第一原子力発電所対応，被災火力·水力発電所の早期復旧，緊急火力発電の早期建設並びに被災地周辺での環境改善活動に貢献してきました。2012年の主な成果として，電力の安定供給を担う基幹発電分野の火力発電では．最新鋭の高効率な汽力発電やコンバインドサイクルを推進し，震災後の緊急電源として鹿島火力発電所及び八戸火力発電所にシンプルサイクルガスタービン設備を納入しました。また火力·水力発電の高経年ユニットの性能向上リプレースも推進しました。多くの国で導入が計画されている原子力発電では，高い安全性と経済性を備えたAP1000を現在中国と米国で建設を進めているほか，原子力発電の安全裕度向上対策などに取り組みました。再生可能エネルギー分野では，当社の特徴である系統負荷変動の調整機能を持つ可変速揚水発電を推進するとともに，各種河川で発電可能な小水力発電機を200kWまでの豊富なパッケージラインアップとしてそろえました。また地熱発電は，海外向けのほか国内でも特別措置法を受けて小型地熱発電も推進しました。風力発電はウクライナでの実証試験を実施中です。更に家庭用燃料電池は，総合効率94％で自立機能も持つ新モデルを商品化しました。新規事業として，重粒子線がん治療装置，高温超電導などの最先端技術開発も推進しました。更に，「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」を受け発電事業（電力供給事業）を強化しました。これらの技術は，同時に二酸化炭素（CO_2）排出量削減にも貢献しています。