耐久性と安全性に優れたハイブリッド自動車用新型二次電池SCiB

摘要

環境やエネルギー問題解決のため二次電池を応用した車載用電源の重要性が増すなか，とりわけハイブリッド自動車(HEV: Hybrid Electric Vehicle)用電池の市場は急激に拡大している。 東芝は，HEV用の高出入力性能，長い耐久寿命，及び優れた安全性を兼ね備えた新型二次電池SCiBを開発した。 このHEV用SCiBは，熱安定性の高い微粒子のチタン酸リチウム(LTO)負極とマンガン正極を用いることで20～80％の広い充電率(SOC: State of Charge)範囲で2,600W/kg以上の高い出入力性能を持っている。 また，低温(-40℃)から高温(60℃)の広い温度範囲において，マンガン正極の溶解劣化が抑制されることやLTO負極上での金属リチウム析出がないことから，耐久寿命特性に優れている。 このような特性からSCiBをHEV用電源に適用すれば，少ないエネルギー量（電池容量）で高い出入力密度を引き出すことができ，HEV用電池の小型·軽量化が可能となる。