代数的トーラスを用いた暗号圧縮技術：安全性を維持しつつ,暗号メッセージを3分の1以下に圧縮する

摘要

公開鍵暗号は，ネットワークセキュリティなどの基盤技術として幅広く利用され，近年では小型機器にも適用されています。 一方，解読が困難な暗号の鍵サイズは年々大きくなっています。 これに伴い，暗号メッセージのサイズも増大します。 暗号圧縮技術を用いると，安全性を維持しつつ，暗号メッセージのサイズを3分の1以下に圧縮できます。 これにより，メモリ容量や通信帯域が十分でない機器でも，安全性を損なわずに公開鍵暗号を利用することができます。 今回，実用的な多くの公開鍵暗号に対して，あらゆる鍵サイズの暗号メッセージも圧縮できる技術を開発しました。 今後は，圧縮率のいっそうの改善に加え，圧縮されたメッセージに対する暗号処理の効率化を検討していきます。