高効率圧電単結晶材料

摘要

東芝はマグネシラム·ニオブ酸鉛とチタン酸鉛の固溶体（Pb（Mg_（1/3）Nb_（2/3）O_3-PbTiO_3：PMNT）にインジウムをドープした圧電単結晶（Pb（ln_（1/2）Nb_（1/2））Q_3-Pb（Mg_(1/3)Nb_(2/3)）O_3-PbTO_3：PIMNT）において優れた圧電特性と高いキュリー温度（T_c：圧電性が完全に消失する温度）の両立を実現した。 従来，PMNTや亜鉛·ニオブ酸鉛とチタン酸鉛の固溶体（Pb（Zn_（1/3）Nb_（2/3））O_3-PbTiO_3：PZNT）のようなペロブスカイト型化合物単結晶は,圧電振動子の応用に向けて精力的に研究されてきたが,これらの圧電単結晶は巨大な圧電定数（d_（33）＞2,00pC／N）を示すものの，T_cが低いため（T_c＝140 deg C～175 deg C），圧電特性の耐熱性及び耐電圧性が問題とされている。 そのため最近は，今回当社が開発したPIMNT圧電単結晶のように，高いT_cを示す圧電単結晶が注目を集めている。 ほかにも，高いT_cを示す圧電単結晶材料として，スカンジウム酸ビスマスとチタン酸鉛の固溶体（BiScO_3-PbTiO_3：BPST）やニオブ酸カリウム（KNbO_3：KN）単結晶などが有望視されている。