鍼灸オントロジー構築の試みオントロジーによる鍼灸概念の提示と応用

摘要

【目的】オントロジーとは当該分野の諸概念及び諸概念間の関係を示し、各知識の普遍的な土台となるものである。 オントロジー構築は医療分野で盛んであり、応用としてゲノム創薬や臨床データベース等が期待される。 東洋医学分野でも日本東洋医学会が漢方薬（と生薬）を含むオントロジー構築に着手している。 しかし、鍼灸では未開拓の研究分野である。 今後、諸分野への応用の可能性が考えられ、初学者や非鍼灸専門家への鍼灸概念の提示にも有益であり、構築の意義があると考えられる。 今回、鍼灸オントロジーの構築を試みたので、オントロジーの紹介を兼ねて報告する。 痉椒ā骏螗去恁俯`構築には大阪大学産業科学研究所の溝口理一郎教授開発によるオントロジーエディタ「法造」を用いた。 使用したPC環境はLetf；note CF－W5（CPU：Intel Core Duo U24001．06GHz/RAMl．5GB/HDD60GB）である。 まず、対象を東洋療法学校協会編集の鍼灸教科書とし、最初に重要な概念語を抽出し他の概念語との関係を示す「定義文」を作成する。 次に諸概念間の関係を示すオントロジーを構築する。