第6回 オリーブのすべて 2．オリーブの生態と栽培（つづき）

摘要

現在，世界的に最も注目を集めているのがチリでのオリーブオイル生産である。15世紀末からヨーロッパ人のアメリカ大陸進出が始まったが，チリに最初に到達したヨーロッパ人は，南アメリカ大陸南端の海峡にその名を残すポルトガル人探検家のマゼランであった。16世紀にスペインの植民地となったチリにはスペインからオリーブ栽培が持ち込まれた。しかし，母国の主要産業への遠慮や，オリーブオイルの需要そのものが増えなかったため，以降，チリでのオリーブ栽培はほとんど伸展しなかった（図65参照）。