道路インフラ整備と貨物自動車輪送の状況

摘要

中国経済は，輸出依存型から内需主導型への転換を急いでいる。自動車，鉄鋼，石油化学など内需を刺激する重点産業を発展させるためには，道路，鉄道などの物流インフラ整備および物流分野の生産性向上がその必須条件となる。2008年のリーマンショック後，内需拡大を求めて4兆元（約57兆円）規模の景気刺激策が発表され，このうち1兆5000億元が鉄道·道路·港湾整備に充当されることとなった。また，2009年1月以降，基幹10大産業の振興策が続々と発表されるなか，物流業においても振興策が打ち出された。具体的には，物流市場の拡大や，物流サービスの社会化·専業化の推進，流通ネットワークの整備，業界再編による大型物流企業の育成支援などの施策が示された。