機能性に磨き,新市場をさらに開拓

摘要

樹脂とゴムの双方の特徴を兼ね備えた熱可塑性エラストマー （TPE）が機能性素材としてそ の存在感を高めている。加硫工 程が不要であり，樹脂同様の成 形方法がとれることから，①ゴ ムや金属代替として軽量化が図 れる，②熱安定性が高く加工の 範囲が広がる，③素材を組み合 わせた複合材料が創出できる， ④設備投資の低減やコスト削減 が図れる，⑤容易なリサイク ル，⑥着色が可能で意匠性も高 まる，といった強みが評価され ている。自動車を中心に家電や IT，機械，日用雑貨，スポーツ 用品など幅広い分野で採用が進 み，医療分野などへもその活躍 の場を広げている。市場は年平 均5％程度の成長を続け，旺盛 な需要に応え，メーカー各社は 2016年度も高付加価値グレー ドの開発や設備増強に積極的な姿勢を示している。