京都議定書の目標達成は可能CO_2削減には環境税より省エネ

摘要

ロシア政府が9月30日、批准法案の下院提出を閣議決定したことによって京都議定書は来春にも発効する可能性が強まった。 55カ国以上の国の批准とCO_2排出量全体の55％以上を占める締約国の参加という京都議定書発効の二つの要件が満たされるからだ。下院に批准法案を提出すれば、親プーチン大統領派が多数を占めるので、可決される公算が大きい。 批准後90日で発効するから、京都議定書達成に向けた取り組みがいよいよ本格化する。 国内では京都議定書の目標達成を目指す地球温暖化対策推進大綱の評価·見直しが終盤に入る。 目標達成が困難と判定されれば、現行大綱を改正して新たな追加対策を導入せざるをえない。2010年のエネルギー起源CO_2排出量見通しは、経産省が産構審、環境省が中環審を通じてそれぞれ試算しているが、中味が微妙に違う。 温暖化対策税の導入を目論む環境省はCO_2排出量削減見通しを必要以上に厳しくみている。 経産省と環境省はこれから年末にかけて追加対策案をすり合わせ、年度内には現行大綱が改正され、新たな追加対策が織り込まれる。 ただ、温暖化対策税は肝心の温室効果ガスの削減効果がはっきりしないうえ、弊害のみ目に付く。導入を阻止できないと、環境エネルギー政策に重大な影響が及ぶので、今後の攻防から目を離せない。