政権交代とロシア·プロジ工クト②：エネルギー調達源の多角化へ

摘要

2009年年末にはバイカル湖の東側に位置するタイシエットから中国国境近くのスコポロジノを結ぶ、全長2，700km を超える原油輸送パイプラインが完成する。第1フエーズでは、60万b/dの原油をロシアから中国に輸出する計画である。もともと東シベリア·パイプライン（ESPO：East Siberia Pacific Ocean）構想は、2004年12月にプ一チン大統領の政令公布を受けてのものである。イルクーツク州タイシエットから太平洋沿岸まで、全長4，720kmに及ぶパイプラインを敷設し、100万b/dから160万b/dの原油を中国及び日本をはじめとしたアジア太平洋諸国に輸出する計画であった。構想発表当初には、パイプライン建設投資総額100億ドルを超える巨大プロジエクトとして、日本、中国の首脳がロシアに原油供給を求める交渉を開始し、さながらロシアの東シベリア原油を巡る機烈な資源争奪戦の様相を呈した。