貴金属元素含有チタン合金の酸洗後熱処理による接触抵抗の低減

摘要

Pdを初めとする各貴金属元素含有チタン合金を硝フッ酸で酸洗処理した後に真空熱処理することにより，貴金属種により効果の差は見られるものの，接触抵抗を低減させることができた。 特に，Ti-Au,Ti-Pt，Ti-Pd合金を使用した場合にはグラファイトプレートと同等の接触抵抗が得られることがわかった。 また，燃料電池用セバレー夕材に適用するには,耐食性が高く使用中に接触抵抗が上昇しないことが要求されるが，本表面処理を行った貴金属元素含有チタン合金の表面構造は,貴金属と酸化チタンの混合層からなっているため,耐食性も良好であることが期待される。 今後は，燃料電池内部を模擬した環境における耐久試験や燃料電池に組み込んだ長期耐久性試験によって，本表面処理材料の耐久性評価を行いセパレータとしての適用性を調査していく予定である。