ユニクロとしまむら、収益構造が異なる理由--固定費、変動費と損益分岐点の関係を知る

摘要

前シリーズでは企業の実際の財務諸表を取り上げ、主に外から見る視点で「財務諸表の見方?使い方」を解説した。 新シリーズでは引き続き現場改革リーダーに求められる「会計リテラシー」をテーマにしながら、自社の内部会計情報と他社の公開情報を、内部マネジメントや投資、企業価値を高めるための意思決定場面などで、どのように活用できるかを見ていきたい。 まず、第1～2回は日常的なマネジメントで馴染みの深い固定費や変動費というコストと損益の関係および原価、在庫とキャッシュフローの関係に着目して、コスト管理や在庫管理のポイントを確認する。 このような社内の意思決定にかかわる部分は本来、予算や管理会計と呼ばれる各社独自のルールに基づく会計情報を利用するが、ここではできるだけ実際の財務データにどう表れるのかを仮説的に扱ってみたい。