夢はフィールドを駆け巡る

摘要

昭和33年の春，資源地質学会の前身である日本鉱山地質学会に入会した。 まだ学生で，時々アルバイトを紹介して頂いた立見辰雄先生から，鉱山地質学会総会の雑用をやるかと言われて二つ返事で引き受けさせて頂いた。 当時は学会も盛況で，講演会場も二つ三つに分かれており，ビラ張りなどの雑用で結構忙しかった。 講演会が終って立見先生から「君，学会に入りなさい。 」と言われて，入会することになった。 結局バイト代は殆ど残らなかったと記憶している。 しかも，紹介者は渡達武男先生と立見先生で，未来永劫退会などできそうもなかった。 昭和34年，日鉄鉱業に入社し，本社探査部に在籍した。年間200日を越える売山調査や地質調査を通じて，休廃止鉱山を含めて数多くの鉱山を見学，調査した。また，調査に出掛けると，周辺で操業中の他社鉱山を見学をさせて頂いたが，大いに勉強になり，寛容に受け入れてくれた鉱山の方々に今でも感謝している。