LaGaO_3含有ホウ酸塩ガラスセラミックスの作製と酸化物イオン伝導特性

摘要

ペロブスカイト型構造をとるLaGaO_3は、そのLa~(3+)サイトをより価数の低いSr~（2-）イオンで、Ga~(3+)サイトをMg~（2+）イオンで部分的に置換することで酸化物イオン（~（2-））欠陥を生じ、この欠陥を介して~（2-）イオンが移動するイオン伝導体となる。ここで、このLa_(0.8)Sr_(0.2)Ga_(0.8)Mg_(0.2)O_(3-δ)は、同様にO~(2-)イオン伝導体である（Zr，Y）O_(2-δ)（YSZ）よりも低温で高いイオン伝導性を示すことから、中温域（～700°C）で動作する固体酸化物型燃料電池用固体電解質として注目されている。 他方、ガラスをその過冷却液体温度範囲で熱処理して結晶化したガラスセラミックスは、成分組成や結晶化温度等の条件を制御することで、有用な機能を有する材料を与える。 本研究では、O~(2-)イオン伝導を示すLa_(0.8)Sr_(0.2)Ga_(0.8)Mg_(0.2)O_(3-δ)相からなる高イオン伝導ガラスセラミックスの作製を目的として、（La，Sr）（Ga，Mg）O_(3-δ)の組成成分にガラス形成酸化物であるB_2O_3成分をLaBO_3の形で加えたホウ酸ガラスを作製すると共に、適当な温度で熱処理してガラスセラミックスとし、これらのイオン伝導特性を明らかにした。