固体電解質型SO_2ガスセンサの開発

摘要

ボイラー等の内燃機関及び焼却炉から排出される排ガス中にはCO_2、NO_x及びSO_xガス等が含まれており、それらの大気中への排出量増加は地球温暖化や酸性雨などの環境問題や人体への健康被害などを引き起こしている。 特にSO_xガスは酸性雨や光化学スモッグの原因物質であることから、その大気中への排出量は様々な規制により厳しく制限されており、このような排出規制を徹底するためには、大気中及び個々の排出源においてSO_xガスを直接高選択的に検知できるセンサの開発が必要不可欠である。 これまでに提案されている様々なガス濃度計測法の中で、固体電解質型ガスセンサは測定ガス中に共存するガス種の中から固体電解質中を伝導するイオンと反応するガスのみを高選択的に検出できること加え、小型で安価な全固体型素子を構成できるため、その場計測用センサデバイスとして最も有望であると考えられる。 これまでに我々は、固体電解質にAl~(3+)イオン伝導体（Al_(0.2)Zr_(0.8)）_(20/19)Nb（PO_4）_3及びO~(2-)イオン伝導体（ZrO_2）_(0.92)（Y_2O_3）_(0.08)（YSZ）を用い、検出極に0.7La_2O_2SO_4-0.3Li_2SO_4を用いた500℃で作動するSO_2ガスセンサを開発したが、このセンサは100ppm以下におけるガス濃度変化には応答しないことに加え、再現性に乏しいという欠点があった。