生産·物流の停止を想定設備·備蓄·制度·体制を刷新

摘要

経済産業省は、資源·燃料政策に関する有識者との意見交換会において、「緊急時の石油·ガス供給体制」をテーマとして、災害対応強化に係るオプションの検討を行なった。それによると、先行実施対策「叩き台」における基本的な考え方として、大規模災害の発生により、被災地および周辺地域の製油所が稼働（生産）停止し、かつ被災地外からの物流網が途絶する場合を想定した。まず、被災地外からの物流網が回復するまでの間、被災地内の在庫（備蓄）を放出·供給し、石油供給の急場を凌ぐ体制を確保することが最重要課題である。詳細には、①出荷設備強化に関して、在庫（備蓄）を災害直後から出荷·供給できるよう、オイルターミナルの出荷設備を強化する。②石油製品の国家備蓄に関して、石油会社が対応困難な場合に備え、石油製品を国家備蓄として確保する。③事業者の協力体制強化に関して、災害対応の初動を確保するため、石油会社間で協力体制を予め構築（共同計画策定）する。④その他に関して、災害時における石油備蓄の放出規定の整備、関係省庁間での協力、災害時における石油天然ガス·金属鉱物資源機構（JOGMEC）の役割等について、国民利益と国民負担との関係を相互に考慮して検討を行なった。