Levodopa投与によって生じる運動合併症に対するセロトニン（5－HT）_（1A）受容体アゴニスト，8－OH－DPATの効果：パーキンソン病モデルラットにおける検討

摘要

6－hydroxydopamine（6－OHDA）ラットのlevodopa間欠投与によって生ずる運動感作に対するセロトニン（5－HT）_(1A)受容体作動薬の効果を判定する目的で，6－OHDAラットに5－HT_(1A)受容体作動薬である（+-）－8－hydroxy-dipropylaminotetralin（8－OH－DPAT）とlevodopaを同時に14日間間欠投与し，ラットの回転運動とラット線条体のprodynorphin（DYN）及びglutamic acid decarboxylase（GAD）のmRNA発現を検討した．8－OH－DPATの同時投与は，6－OHDAラットのlevodopa単独間欠投与によって生じる単位時間あたりの回転運動の増加を抑制し，またlevodopa単独間欠投与によって生じた病変側線条体でのDYNとGADのmRNA発現の増加を抑制した．これらの結果は，5－HT_(1A)受容体作動薬がパーキンソン病患者のlevodopa投与によって生ずる運動合併症を軽減する可能性を示唆している．