日本体外循環技術医学会会員を対象とした外科治療におけるチーム医療推進·裁量権拡大に関するアンケート結果

摘要

医療費削減，過酷な就労環境などに起因する医療崩壊の深刻度が増す中で，外科医療も産科，小児科，救急に匹敵する危機的状況にある．厳しい財政状況の中でこの間題を解決するには，我が国の医療に，米国におけるNurse practitioner（NP）やPhysician Assistant（PA）など多様な医療関連職種で成り立っているチーム医療の導入を推進することが重要である事は論を待たない．裁量権拡大，分業による，"新戦力"としてのチーム医療の担い手としては，これまで看護師が注目され，すでに我が国でも米国におけるNurse prac－titioner（NP）に相当するような医療従事者を養成する修士課程が誕生している．医療機器を中心に，医療の知識を習得した臨床工学技士もチーム医療の担い手，"新戦力"たりえるはずである．呼吸，循環，代謝に大きく区分される臨床工学技士の中で，体外循環を担当する技士は手術室を業務の場の中心とする，という意味で，外科医療に最も近い医療従事者である．