エノキタケ抽出物の内臓脂肪減少効果発現機序での機能薬理学的解析

摘要

エノキタケ抽出物による体脂肪低減効果の作用機序に関する検討：エノキタケ抽出物の体脂肪低減効果の機序解明を目的として、脂質代謝に関連する酵素であるα－D－グルコシダーゼと膵リパーゼ、関連受容体としてインスリン、甲状腺ホルモン、β_3アドレナリン、レプチンについての結合能を検索した。エタノール抽出物で特異的なβ_3アドレナリン受容体（以下β_3－AR）結合活性が認められた。さらに、エノキタケ抽出物を分画し、その成分によるβ_3－AR結合活性についてシアノピンドロールとのRadio Receptor Assayで検索した。結果として、脂肪酸を含む画分においてβ_3－AR結合活性が50％以上と高いことが判明し、特に含有量が最も多いリノール酸と数種類の脂肪酸混合物に67％の結合活性が認められた。さらに、この組成比で合成品の脂肪酸を均質化した混合物について同様な試験を行うと75％の結合活性が得られた。これらの結果は、エノキタケ抽出物の含有脂肪酸混合物によるβ_3－AR刺激作用が示唆された。