エノキタケ抽出物の内臓脂肪減少効果における臨床薬理学的解析

摘要

従来の研究から、エノキタケ抽出物は脂質代謝異常症に効果的であることが示唆されている。今回、幅広い年齢層の男女での二重盲検法による用量設定試験および有効性試験を基盤として総括する。用量設定試験：BMIが25以上、体重100kg以内で30歳以上59歳以下の日本人男女、計46名（男性：34名、女性：12名）を選抜し、本試験の被験者とした。摂取期間は8週間とし、エノキタケ抽出物を200mg、400mg、800mgあるいは対照物を1日1回1包摂取させた。結果として、エノキタケ抽出物群は体重変動で全群において約1．5％の減少が認められ、体脂肪率では、対照群と比較して約1．5倍の脂肪減少効果が認められた。CTを用いた画像解析において、特に400mg以上の摂取群で内臓脂肪の有意な減少効果が確認された。一方、摂取後2週間においても各測定値は大きな変動も無く維持され、リバウンド現象は認められなかった。これら甲結果から、エノキタケ抽出物は持続的な脂肪減少効果を有し、且つ、摂取の容易さなどから400mg群の有用性が最も高いと考えられた。