ITシステムの障害対応効率化に向けたネットワークトラヒック可視化技術の検討

摘要

ITシステムで発生する障害への対処を迅速化するためには，障害状況の把握から対処までの一連の作業を効率化することが必要である．障害対処作業では，ネットワーク情報や性能情報など多くの管理情報を参照·比較しながら作業するが，従来ではこれらの情報を参照するため個別の監視画面を切り替えながら作業することが多く非効率であった．そこで本研究では，障害対処効率化に向け，監視対象システムの構成とネットワークトラヒックを含む状態情報を同時に可視化する監視方式を提案し，評価実験によりその実現性を検証した．その結果，有効な業務システムのトラヒック可視化実現のためには，監視対象システム毎の障害状態の定義とそれに合わせた適切なトラヒック量表示のために，監視対象システムの性能限界を把握する点が重要であることが分かった．