システムの冗長性を考慮した仮想マシン配置管理手法の提案

摘要

近年ETSI NFV （Network Function Virtualization）を始めとする標準化団体にてネットワーク（以下NWと省略）仮想化に関する検討が進む中、1物理サーバ上に複数の仮想マシンを配置する事で使用物理サーバ台数を削減可能なサーバ仮想化技術を用いたシステム運用が注目されている。一方仮想化対象となるシステムには、現用系·予備系からなる冗長構成を組み、故障時に迅速に系切替を実施するシステムを含む。しかし、既存の仮想マシン配置管理手法には、システムの冗長性を考慮した手法が存在しないため、システムの継続的な稼働が困難となる場合が存在する。そこで本稿では、システムの現用系·予備系における系の違いを考慮し、システムの可用性担保、リソース使用効率の向上及び故障に伴う仮想マシン配置構成変更規模を縮小可能な、仮想マシン配置管理手法を提案する。また評価にて本提案手法を適用することにより、既存手法と比較して使用物理サーバ台数を削減すると同時に、システム故障に伴う仮想マシン配置構成変更規模を縮小できる事が確認できた。