膵消化管吻合のpatencyの評価 —セクレチン負荷腹部超音波による一

摘要

PD症例の膵消化管吻合の開存を検討するためにセクレチン負荷腹部超音波にて,膵管径を経時的に測定し開存を検討した。〖方法〗負荷前の膵管径を測定後，セクレチンをlU/kg 静注し,その後，1.3, 5，10, 20, 25分と膵管径を超音波にて測定した。膵管の拡張の程度 をMDR (maximal dilatation ratio)で評価した。MDR=I)max/DO Dm ax ：セクレチン 負荷後最大膵管径DO ：セクレチン負荷前の膵管径。さらにPFDテス卜を施行した。対象は 膨大部癌2人，インスリノ一マ1人，十二指腸癌1人，膵頭部癌2人，胆囊癌1人，慢性膵炎 5人であった。【結果】MDRと尿中PABAは，強い相関がみられ，ズ2検定でみると，MDR >2.0の2症例において膵管消化管吻合の狭窄があると評価した。術前PABAはおのおの 69%, 48%であったが,術後は3%，18%と低下した症例であった。【結語】セクレチン負荷 腹部超音波による膵管径の評価は,簡便で非侵襲的で安全な膵消化管吻合の開存の評価法であ ると考えられた。