3Dエコーによる肝細胞癌の微小病変の描出について—3D-CTを用いたDual Imagingも含めて

摘要

造影US 3D Fusion imagingの肝細胞癌合併微小病変の描出能を明らかにし，また， 造影MDCTの3D imagingの断層面を磁気センサーによる位置情報を用いて立体的に一致さ せるUS-CT 3D Dual Imagingも考案し.その描出能も検討した。肝切除を施行し,病理組織学的にsingle noaular type with extranoduiar growth (extranoaular growth)を有する 7症例ついて，造影US 3D Fusion imagingを施行し，その描出能を，2D超音波像(US), 造影US-CT 3D Dual Imagingと比較した。US-CT 3D Dual Imagingは，立体位置センサ一 を用いて，3D USと3D CTの断層面を立体的に一致させて画像を表示した。7症例中，2D-USでは，1例のみにextranoduiar growthの描出が可能であつた。3D-USでは7例中6例で， extranoduiar growthの描出が可能であり，優れた描出能を示した。またUS-CT 3D Dual Imagingを用いることにより，全例でextranoduiar growthの描出が可能となった。造影 US 3D Fusion imagingは，plane shift, plane cut, MPRにより病変を立体的に把握し，さ らに，opacity controlにより明瞭なコントラス卜の透視像として表示し，微小病変の存在の 診断に有用であった。またUS-CT 3D Dual imagingはUSとCTの長所を活かした精密検査 法として，肝細胞癌の診断に役立つことが期待される。