心筋PETを支える最近の技術進歩と普及のための課題

摘要

心筋PETでは種々の生理的·生化学的な機能画像を撮像することができ、多くの臨床診断検査法の有効性が報告されてきた。心筋バイアビリティ診断をはじめとする多くのPET診断の精度はSPECTよりも高く、組織血流量や血管反応性、また種々の基質代謝量の診断は、一般の臨床診断に貢献するだけでなく、病態の理解を助け、再生医療をはじめとする新規治療法の前臨床および臨床試験にも有用である。 CT血管造影やMRIを使った冠動脈造影法が普及する中、組織レベルの潅流や血流予備能は核医学のみで得られる情報であり、血管狭窄以外の生理的状況が観察できることも明らかになった。