心電図同期心筋SPECTイメージングによる局所壁運動評価の問題点

摘要

心電図同期心筋SPECTイメージングにより,心機能評価をする場合,解析上いくつかの問題点が生じる.この最も大きな理由は,解析プログラムが心筋の辺緑抽出に基づいており,平衡時心プール法のような直接のカウント測定ではないため,空間分解能を考慮しなければならないことによる.特に画質の悪い症例でも自動解析プログラムが働いて,辺縁抽出を行ってしまうことも問題である.また時間分解能が悪いことも欠点である.今回心筋梗塞症例23例を対象に,局所壁運動をQGSと心エコーで比較したところ, QGSにより得られた指標は,いずれも心エコーと相関したが,心エコーで検出された軽度の壁運動異常はgated SPECT上のどの指標を用いても検出困難であった. Gated SPECTを用いて局所壁運動評価を行うにはさらに基礎的検討を重ねる必要がある.