Serous cystic tumor(sct)序

摘要

膵漿液性腫瘍serous cystic tumor（SCT）は比較的稀であるが，膵嚢胞性腫瘍の代表的疾患の一つで，しかもほとんどが良性である。 　 以前から気になっていたことは，膵臓学会の年次報告を見るとSCTの悪性の頻度が割合多いのと，SCTの論文の中でmalignant potentialもあるため，外科的切除も必要である，と書かれていることなどから，機会があればぜひSCTの特集を組みたいと考えていた。 Ⅰ．膵漿液性嚢胞腫瘍（SCT）といえば　 このSCTと粘液性嚢胞腫瘍（MCT），膵管内乳頭粘液性腫瘍（IPMT）が，膵嚢胞性腫瘍の代表的疾患である。 　 漿液性腫瘍をSCTと省略して用いると，それはsolid cystic tumorのSCTではないかと言われるかもしれないが，その疾患の呼称はsolid pseudopapil－lary tumor（SPPT）と1996年WHO規約で改定された。 また本邦（2002年）の第5版の月膵癌取扱い規約でも改定されている