医学教育改革の現状を踏まえた胆膵領域の教育のあり方

摘要

医学教育改革の現状を概括し,世界水準の胆膵領域教育のあり方を考察した。 中央教育審議会は学部教育の役割が知識の蓄積ではなく課題探求能力の育成にあると明示し, 21世紀医学·医療懇談会は人間性涵養·倫理教育·コミュニケーション能力育成·課題探求·問題解決能力育成(PELテユートリアル)·診療参加型臨床実習(クリニカル·クラークシップ)の導入を提言した。文部科学省の調査研究協力者会議は卒前医学教育の統合型モデル·コア·カリキュラムを提示し,医学教育の質を保証するための共用試験がコンピュータ試験(Computer-based testing : CRT)と客観的臨床能力試験(Objective structured clinical examination :OSCE=オスキー)として2005年から本格運用される。 今後の胆膵領域の教育では卒前卒後の各教育段階における具体的到達目標(知識,技能,態度)を明示することと,成人学習理論を熟知した教育人材養成のための教育能力開発(ファカルティ?ディベロップメント)が必要である。