食思不振

摘要

食思不振はさまざまな疾患でみられる非特異的な症候で，感染症などの急性疾患でもみられるが， 本稿では主に慢性の食思不振について述べる。原因が明らかな場合はそれに対する治療が行われるが，各種検査では明らかな原因を認められないものや，西洋医学的治療で十分な改善が得られない例，薬剤の副作用で治療が継続できない例などでは，漢方治療が役立つことがある。本稿では，器質的異常が認められない消化管愁訴として近年注目されている機能性胃腸症(functional dyspepsia ： FD) を中心に，薬物治療(特に漢方薬)と透析患者に投与する際の注意点などについて概説する。