HP型妊娠高血圧腎症重症例の産科的母体合併症併発からみた血圧重症度と早発度意義

摘要

妊娠高血圧症候群（PIH)でも妊娠高血圧腎症(preeclampsia ： PE)は，妊娠20週以降に高血圧と蛋白尿を新規に併発してくる病態であるが，とりわけ重症高血圧（160/110mmHg)と重症蛋白尿（2g/日以上）をともに示すHP型は，最も母児の予後が不良となる病態である。HP型において発症してくる全身の臓器障害，動静脈の血管障害は，妊娠継続が不可能となり放置すれば多臓器不全から母体死亡にも至り得る病態と理解される。