透析医療の標準化と成績スタッフおよび医療経済環境について

摘要

つい先日までの医療は，外科は徒弟制度に基づく経験こそが重要であり，内科もまた匙加減こそが名医の証であったといえる。 しかし，時代は名医が診るのも，卒業したての医師が診るのも大差ないほど医療が標準化され，根拠（evidence）と指針（ガイドライン）があれば，例えばコメディカルスタッフが管理しても，適当なoutcomeが得られるかもしれない状況を呈しつつある。 透析は，繰り返す手技と，多数の患者を同時に管理する仕組みから，ブラッドアクセス手術などを除き，他の人が真似ることのできないマイスター的で高度な技能は不要で，最も標準化されやすい医療といえるかもしれない。