IgA腎症合併妊娠における腎機能予後に関する臨床的検討

摘要

腎炎患者の妊娠および分娩に関しては腎疾患が安定した状態であって，妊娠前の腎機能が正常あるいは軽度障害であり高血圧がなければ，妊娠は腎疾患を悪化させることなく，また妊娠および分娩に対する悪影響もみられないとする報告が広く受け入れられている。1989年に報告された厚生省特定疾患·進行性腎障害調査研究班の腎炎·ネフローゼ患者の妊娠，出産に関する指針では，慢性腎炎ではクレアチニンクリアランス70ml/min以上の場合，妊娠は一般にさしつかえないとしている。