腎内の小動脈に高度のfibrinoid necrosisを認め，急速進行性腎炎の臨床経過をとつたPR3-ANCA陽性granulomatosis with polyangiitisの1例

摘要

2010年10月より難聴が出現し，中耳炎の診断で経過観察され，症状は徐々に軽減した。2011年1月，左眼発赤?疼痛が出現し，左上強膜炎および上眼瞼発赤と診断された。プレドニゾロ ン（PSL) 20mg内服を開始し，症状は軽減したがPSL漸減とともに再燃を繰り返した。同年5月 PSL2.5mgに減量時より全身倦怠感が増強し，5月24日歩行不能となり前医を受診。38°C台の発熱，右上下肢の筋力低下を認め，1年前に比し約10kgの体重減少を認めた。主な血液?尿検査所 見はBUN 52.6 mg/dL, Cr1.8 mg/dL, CRP14.32 mg/dL, Alb 2.7 g/dL, WBC17，220/muL (Eo 7.5%)， 尿蛋白2+,尿潜血3 + ，沈渣赤血球 >100/HPFであり，頭部MRIで大脳半球両側に多発性脳梗塞を認めた。