Behcet病ぶどう膜炎におけるCD4 T細胞上の補助シグナル分子ICOSの発現と機能，ならびに治療への応用

摘要

Behcet病ぶどう膜炎は眼炎症発作を繰り返すため現 在でも失明原因として大きな位置を占めている.その発 症機構には，種々の自己抗原に反応するCD4T細胞が 中心的な役割を果たし，発現する補助シグナル分子によつ て，その活性化?不活性化が制御されている.活動期 Behcet病ぶどう膜炎患者では種々の補助シグナル分子 の中でも活性型補助シグナル分子であるinducible co-stimulator (ICOS) が 最も 強 〈発現して いた. さらに， Thl細胞およびThl7細胞のサイ卜カイン産生に関与し， 疾患活動性の指標および将来的に治療標的となりうる可能性が示唆された.IC0S/B7RP-1補助シグナル経路の 阻害はさまざまな自己免疫疾患モデルにおいて良好な治 療成績が得られているため，将来Behcet病ぶどう膜炎 の治療法としても期待される.