家族性大腸腺腫症に発生したHelicobacter pylori陰性胃型早斯胃癌のr例

摘要

患者は20歳代，男性.FAPに対する上部消化管内視鏡検査にて，胃底 腺ポリポーシスと胃穹寝部前壁に径10 mm大の境界明瞭な褪色調平坦隆起性 病変を認めた.背景胃粘膜はRAC陽性で萎縮を認めず，便中H. pylori抗原は 陰性であった.NBI併用拡大内視鏡観察では，明瞭な境界を認め，表面構造 は大小不同の顆粒?乳頭状様構造を呈した.生検ではGroup 3 (tubular adenoma, low-grade atypia)の診断であった内視鏡所見から高分化型粘膜内癌 の可能性を考え，ESDにて病変を一括切除した.病理診断は粘膜内胃型低異 型度高分化型腺癌であった.