正常眼圧緑内障の視神経乳頭トポグラフイ一に及ぼす緑内障点眼薬の効果

摘要

目的:正常眼圧緑内障(NTG)の視神経乳頭トポグラフイ一に対する緑内障点眼薬の効果を検討する.対象と方法:緑内障治療歴のなし1 NTG患者39例39眼に対し　 0.005%ラタノブロスト夜1回と0.5%チモロールゲル朝1回の併用療法を行い, HeidelbergRetina Tomograph (HRT)を用いて治療前後で視神経乳頭立体計測を行った.薬物投与期間は20.2+-6.4日(平均値+-標準偏差)であった.結果:投与前眼圧は16.7+-1.9mmHg?であり,治療後, 12.3+-1.9mmHgと有意に下降した(眼圧下降率26.7+-8.7%). HRTパラメータのうち　 Cup area,Cup/Disc area ratio, Rim area, Cup volumeにおいて有意の改善がみられた.さらに,眼圧下降率とCuparea, Cup/Disc area ratio, Rim area, Cup volume,Rim volume, Height variation contourの各変化量との間に有意の相関が認められた.対象を投与前眼圧が16mmHg以上群と15miriHg以下群とに分けると, 16mmHg以上群ではいくつかのパラメータが有意に改善したのに対し, 15mmHg以下群では全てのパラメータで変化はみられなかった.結論:NTG患者の視神経乳頭トポグラフイーは緑内障点眼薬による眼圧下降によって数週間で改善し得ることが示唆された.