建設作業者における石綿関連疾患の広がり 身近にみられる石綿関連疾患の診療のために

摘要

石綿が肺癌や悪性中皮腫を発生させるなど，強い発癌性が認められることから，平成16年10月から実質的に石綿の輸入は禁止されることとなった。 しかし，これまでに極めて大量の石綿が輸入され，その9割以上が建築材として使用された。 そのため，大工，電工，左官など，あらゆる職種の建設作業者が石綿の曝露を受けてしまい，石綿肺や石綿関連肺癌，中皮腫など石綿関連疾患が多数発症するに至った。 石綿曝露を受けた建設作業者はれれれれの身近に多数存在しており，日常診療において建設作業者をみる機会は少なくない。 したがって，石綿関連疾患についての見落としを防ぐことが第一線の医療従事者に求められている。