石灰化を伴う肺野孤立性結節状陰影を呈した直腸癌肺転移の1例

摘要

症例は70歳男性,前立腺癌のホルモン療法中の定期検査目的で撮影された胸部単純X線写真で右下肺野結節状陰影を指摘された。 胸部高分解能CT (HR-CT)では結節内に点状の石灰化が多数認められ,造影CTでは結節内部は低い造影効果を呈した。注腸透視を行ったところBorrmann3型の直腸癌が発見され,病理組織像からこれによる肺転移と考えられた。 結節影内部に点状の石灰化が多数認められる場合,特に消化管の腺癌からの肺転移の可能性を考慮し精査を進める必要があると考えられる。