Borderline resectable膵癌の画像診断

摘要

2015年版National Comprehensive Cancer Network Clinical Practice Guideline in Oncology (NCCN Guidelines)1)および米国膵 臓学会，米国腹部放射線学会共同の膵癌画像報告に関するconsensus statementにおいて,切除可能境界膵癌(borderline resectable膵癌： BR-PC)の定義および画像診断報告テンプレー卜が提唱されている. BR-PCは，「膵頭部?鉤部病変」では，"総肝動脈合併切除再建や上腸 間膜動脈周囲神経叢切除，門脈合併切除再建などの血管合併切除を伴う 腠頭十二指腸切除術により，腫瘍残存なく切除できる可能性がある病 変，「膵体?尾部病変」では，"腹腔動脈合併尾側膵切除（+-門脈合併切 除再建）により腫瘍を残存なく切除できる可能性がある病変"といえる. 膵癌画像診断報告テンプレー卜を用い細目を評価することは，BR-PC 画像診断の標準化を行うことを可能にし，集学的治療における効果判定ならびに臨床的判断の決定において肝要である.