プロフェツショナルの基礎：卒後倫理教育の臨床医への実践に向けて

摘要

医療専門職に対する卒後倫理教育の目的は， より良い医療の実現である.今までになく社会的に医の倫理の重要性が叫ばれており，臨床医を含む医療専門職および医学研究者に対する倫理教育の有無が医療施設や研究機関の評価にも反映される時代になった.第一線で働いている臨床医に対しては持続可能な形で，倫理に関する基本的知識を身に付け，現場における倫理· 法 ·社会·心理·文化·宗教的な諸問題を的確に認識し，それらに診療チームとして適切かつ迅速に対応することで，患者ケアの質を向上させることを目指した実践的教育が必須である.