腎不全予防のための医療ネットワークと生涯教育

摘要

木村：本日は，「腎不全予防のための医療ネットワークと生涯教育」というテーマで，先生方と忌憚のないところでいろいろお話をさせていただければと思いますので，よろしくお願いいたします．昨年末の統計では，末期腎不全による透析患者数が23万人弱ということでしたので，現在はもう23万人を超えていると思われます．その医療費は1兆円を優に超えていて，大変な社会的な問題になっております．腎不全の進行を抑制するということが重要な社会的課題になってきているわけです．腎疾患は長期に渡る疾患ですので，一施設だけで患者さんを診るということではなくて，様々な施設で患者さんを診ていくということが，しばしば行われます．そういう意味で，私たちは「医療ネットワークの中で，腎疾患の患者を診ていく」ということをきちんと認識することが重要になってくると思うわけです．腎臓は様々な要因·因子に影響されて，悪化しますので，腎不全の進行を抑制するためには，腎臓だけをみていてはいけない，全身をトータルに診ていくことが必須だと思われます．そのあたりのところから，まず成田先生に，口火を切っていただきたいと思います．