骨粗鬆症に随伴する疼痛にミノドロン酸水和物(ボノテオ~R)が劇的に奏効した4症例 他のビスフ才スフォネ一卜製剤からミノドロン酸水和物への切り替え効果

摘要

当院で治療中の骨粗鬆症患者のうち，ビスフォスフォネート（BP)製剤であるァレンド口ネート（ALN)あるいはリセドロネート（RIS)で治療するも原疾患に随伴する激しい疼痛が持続し生活の質が著しく低下している4症例について，治療薬をミノドロン酸水和物（MIN)に切り替えたところ，劇的な疼痛改善効果が認められたので報告する。〔症例1〕は73歲の女性で，脊柱管狭窄症の合併があり，外出には手押し車が必要で，食事も途中で横にならないと続けられないほど重度の腰痛があつたが，ALNからMINへの切り替えにより疼痛VAS (visual analogue scale)スコアは8から2に低下，自立歩行が可能となり，食事も普通に摂取可能となった。〔症例2〕および〔症例3〕は72歳の女性で，ALN では腰痛の改善がみられなかったが，MINへの切り替えにより疼痛V ASスコアはそれぞれ6から0および6から0.6に消失·改善した。〔症例4〕は79歳の女性で，仮面うつ病を合併し.RISでの治療では腰痛の改善はみられなかったが，MINへの切り替えにより疼痛V ASスコアは10から3に改善した。いずれの症例もMINへの切り替えにより疼痛VASスコァの消失あるいは著しい改善が認められ，その疼痛改善効果は継続投与が可能であった2 例では約1年間維持されたことから，MINによる治療は骨密度のみならず骨粗鬆症に伴う疼痛改善にも有効と考えられた。