好酸球性胃腸炎との鑑別が困難であった腸ァニサキス症の1例

摘要

腹部CT検査：肝臓?脾臓周囲，傍結腸溝，骨 盤底の腹水貯留ぉよび腸間膜の淡い濃度上昇を 認めた.骨盤内の小腸壁肥厚を認めた（図1A, B)。入院後経過：入院当初，腹水貯留を伴う急性腹 症の原因は明らかではなく絞扼性ィレウス等の ため緊急手術が必要になる可能性も考慮された が,腹部所見が軽度でありCT上も明らかな絞 扼所見は認めなかったため絶食?補液にて保存 的に厳重に経過を観察した.入院後，徐々に腹 部症状は改善傾向となつたが，血液検査上好酸 球数（924/muL)および総IgE (511 IU/mL)の上 昇を認め（図2),好酸球性胃腸炎の可能性を考 慮し上部.下部消化管内視鏡を施行した.