積極的フットチェックによる爪白癬攻略法-爪白癬は，どのように治療されているか？－

摘要

爪白癬の治療では，治癒まで長い時間がかかるために患者の治療意欲を高めて治療を完結させて治癒に導くことが求められる。当院では，図や表を用いたインフォームド·コンセントで患者理解を高め，経過写真などを駆使し，治療の必要性や効果を実感してもらう工夫で治療意欲を高めている。 これらの工夫により，高い治療完結率と経過観察率を得ている。 また，爪白癬以外の疾患を主訴にした40～70歳代の受診患者にフットチェックを行い，積極的に潜在爪白癬患者を内服治療に誘導している。2007年1月～2008年1月にかけてフットチェックを実施した2390例中395例（17％）に爪白癬が認められ，そのうちの146例（37％）に内服治療を行った。 このことより，爪白癬を主訴にしていなくとも治療を希望する患者は少なくないことが判明した。 爪白癬患者の多くは爪の外観に悩み，きれいな爪になることを望んでいることから，きちんと治癒に導いて患者満足度の高い治療を行う必要があると思われる。